【うつわを知る:民藝館】日本民藝館 編

日本民藝館で「民芸」に触れ、美の感性を呼び起こす

「日本民藝館」という存在は知っているけれど、敷居が高くて入りにくいなんて思っていませんか? 「美」を見出す感性さえあれば、日本民藝館は誰でも楽しめる場所。まだ行ったことがない方は、ぜひこの機会に足を運んでみてください。

「日本民藝館」について

画像出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B0%91%E8%97%9D%E9%A4%A8

日本民藝館は民芸運動の提唱者・柳宗悦らにより1936年に作られた、伝統工芸品を展示する美術館です。

当時は現在のように、伝統工芸品は「美術」としての価値が認められておらず、伝統工芸品は「無名の職人が作った日用品」という範疇を出ることができずにいました。

この工芸品に美術品としての価値を見出し、世間に広める活動を続けたのが柳宗悦、濱田庄司、河合寛次郎らでした。

彼らは美術品としての評価が定まっていなかった工芸品の調査のため全国を駆け回り、日本全国の工芸品を収集。そして、この収集品を広く一般に公開するため実業家・大原孫三郎の支援を受けて「日本民藝館」を創設しました。

以来、日本民藝館は民芸運動の本拠地として、伝統工芸品の収集・調査・展示の場として今なお精力的な活動を続けられています。

 

日本民藝館で見られる、代表的な所蔵品・作品

画像出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B0%91%E8%97%9D%E9%A4%A8

日本民藝館に収蔵されている作品は、主に柳氏の審美眼により集められた日本や世界の工芸品です。その数およそ17,000点。種類も陶磁器から始まり、染織物や金工・石工品、木漆工品に絵画など多岐に渡ります。

その多彩な収蔵品の中で高い評価を得ているのが国内屈指の質・量を誇る、朝鮮半島の伝統工芸品と日本や世界の古い陶磁器、木喰の仏像、東北・沖縄・北海道(アイヌ)の工芸品など。民芸運動に参加した作家たちの作品も見どころのひとつです。

特に昭和前期から30年代にかけて集中的に蒐集された丹波古陶は、民藝館に所蔵されている日本の古陶磁を代表する品となっています。

 

ここに注目! 日本民藝館の見どころ

日本民藝館の見どころといえば、柳宗悦が民芸運動を興すきっかけともなった朝鮮陶磁器です。日本民藝館では定期的に朝鮮陶磁器の収蔵作品を紹介する、特別展・併設展を開催されています。

中でも18世紀後半に作られた白磁「染付秋草文面取壺」は、柳氏が朝鮮の工芸品に心惹かれるきっかけとなった品。一度は見ておきたい、歴史を動かした貴重な品です。

ただし日本民藝館に展示されている作品には説明書きがほとんどありません。これは何よりも見る人の、美を見抜く「直観」が大切であるという柳氏の考え方に由来しています。

自分の感性に引っかかった作品こそ「見どころ」となるのが民藝館の面白さです。

 

展示を楽しんだ後は? ミュージアムショップや周辺ランチスポット

画像出典:https://www.facebook.com/BUNDAN.cafe/

展示を楽しんだ後は民藝館内のミュージアムショップも訪れてみましょう。ここでは全国から選りすぐった新作工芸品の展示販売が行われています。また民芸の歴史や知識を深めたい方のために書籍も販売されています。

またちょっと休憩をするなら、民藝館から徒歩2分の場所にある日本近代文学館内「BUNDAN COFFEE & BEER」も訪れてみてください。こちらは約2万冊の書籍が閲覧できる、スペシャリティコーヒー専門店です。

こちらのお店では作中にも登場する「文豪が愛した飲み物や料理」を始め、小説内にしか登場しないような「想像でしか味わえない、憧れの飲み物や料理」を再現し提供されています。

お気に入りの作品を読み耽りながら、ここでしか味わえない特別な一杯・料理を堪能できます。

BUNDAN COFFEE & BEER

  • 所在地:東京都目黒区駒場4-3-55 日本近代文学館内
  • 営業時間9:3016:20
  • 定休日:毎週日・月・第4木曜

 

 日本民藝館の基本情報・アクセス

日本民藝館の基本情報・アクセスは以下の通りです。

■基本情報・本館

  • 住所:東京都目黒区駒場4-3-33
  • 開館時間10:0017:00(最終入館16:30まで)
  • 休館日:毎週月曜(祝日の場合は開館・翌営業日が休館日。年末年始/展示入れ替え等にともなう臨時休館あり)
  • 入館料:大人1,100円、高大生600円、小中生200円(団体割引・障がい者および介護者の割引あり)
  • (基本情報・西館)
  • 開館日:展覧会開催中の第2水曜、第2土曜、第3水曜、第3土曜に公開
  • 開館時間10:0016:30(最終入館16:00まで)

■アクセス

  • 京王井の頭線「駒場東大前駅」西口より徒歩7
  • 小田急線「東北沢駅」東口より徒歩15

 

まとめ

知識や情報に振り回されやすい「美」の世界。ただし、そのせいで目の前に広がる「美」を見逃したとしたら、とてももったいないですよね。日本民藝館は何よりも見る人の感性を大切にしてくれる場所。ぜひ気後れすることなく訪れ、「初めての民芸の世界」を楽しんでみてください。

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シンプルで実用的な磁器、砥部焼

画像出典:https://tobeyaki.shop/

 

特徴

砥部焼は、江戸時代から陶器のような味わいを持っていましたが、白くて丈夫で値段も手頃だったため多くの人に愛用されて来ました。

一般的な磁器のイメージは、光をすかすほど薄いといったイメージですが、砥部焼は意外にどっしりしていて重い磁器です。この厚みにほのぼのとした愛着を感じ、皿や鉢は実用品として広く愛されています。

江戸時代の中期ごろまで、原料に砥石屑を使っていたため、その色はややグレーがかった白になっており、それが現代には個性として親しまれています。絵付けはほとんど女性の手で行われることが多く、軽やかで柔らかな印象のものが特徴的です。

砥部町を訪ねる

電車の場合
  • JR松山駅から市内電車で松山市駅まで約7分 → 松山市駅から伊予鉄バス「砥部線」で約45分、砥部焼伝統産業会館前下車
車の場合
  • 松山自動車道松山ICから約15分

お問い合わせ

  • 砥部町観光協会
    • 電話:089-962-7288

 

博物館など

■砥部焼伝統産業会館
  • 開館時間:9時〜17時
  • 休館日:月曜(祝日の場合翌日)、年末年始
  • 電話:089-962-7288
■砥部町陶芸創作館
  • 開館時間:9時〜17時
  • 休館日:木曜(祝日の場合翌日)、年末年始
  • 電話:089-962-6145
  • ろくろ・手びねり・絵付けの体験可能
■砥部観光センター 炎の里
  • 開館時間:8時30分〜18時
  • 休館日:12月31日
  • 電話:089-962-2070
  • ろくろ・絵付けの体験可能

行事

■砥部焼まつり
  • 時期:4月第3土曜・日曜
  • 場所:砥部町陶街道ゆとり公園、砥部焼伝統産業会館、砥部町商工会館

 

 

 

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朝鮮陶工による新技術で革新をもたらされた、唐津焼

画像出典:http://www.coconoki.com/shopbrand/ct450/

 

特徴

日本で初めて「蹴ろくろ」や「登り窯」を導入し、日本の焼物に革新をもたらした唐津焼。

輪積みにした粘土紐をたたき板で叩いて形成する「叩きづくり」や、様々な装飾技法など、朝鮮陶工たちから伝えられた新技術で、唐津焼は一気に脚光を浴び、多くの茶人にも愛されてきた。

しかし、これら技法の一部は唐津焼の衰退により、一時途絶えてしまう。再び世に出てきたのは、昭和30年代に入ってからのこと。重要無形文化財保持者である中里無庵の尽力により、復活を遂げたのだ。中里家は御用窯として橙献上唐津を作り続けた陶家。無庵はその12代中里太郎右衛門を襲名した頃から古唐津の発掘調査に取り組み、胎土・釉薬・成形・焼成法の研究を重ね、絵唐津・斑唐津・叩き唐津などの技術を見事に再現した。現代の唐津焼においても古唐津に倣った作風は多く、無庵の存在なしに唐津焼の新たな隆盛はなかったと言える。

1.絵唐津
画像出典:https://www.pinterest.com/pin/356980707955016963/
2.斑唐津
画像出典:https://twitter.com/RyoteiStyleJP
3.叩き唐津
画像出典:https://ameblo.jp/kougeikan/entry-11343345453.html

 

唐津市を訪ねる

電車の場合
  • 博多駅 → JR唐津駅下車
車の場合
  • 二丈浜玉道路浜玉ICから約20分

お問い合わせ

 

博物館など

唐津城
  • 開館時間:9時〜17時
  • 休業日:年末
  • 電話:0955-72-5697
唐津焼総合展示販売場(アルピノ2階)
  • 開館時間:9時〜18時
  • 休業日:年末年始
  • 電話:0955-73-4888
中里太郎右衛門陶房陳列館
  • 開館時間:9時〜17時30分
  • 休業日:年末年始
  • 電話:0955-72-8171
西ノ門館
  • 開館時間:9時〜17時
  • 休業日:月曜、年末年始
  • 電話:0955-75-3667

 


 

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モダンな民芸、越前焼

画像出典:https://feedram.club/hashtag/%E8%B6%8A%E5%89%8D%E7%84%BC

 

特徴

越前焼の始まりは平安の末期でした。北陸最大の窯業地であると言われており、六古窯の一つと言われています。焼き物の特徴としては、赤褐色の地肌に緑色の自然釉が豪快に流れ落ちている所にあります。作られているもののほとんどは民具として利用されているもので、その独特な形は現代、インテリアとして愛されています。

画像出典:http://demode-furniture.net/otsu/products/genre/curios/post_981.php

越前町を訪ねる

電車の場合
  • JR北陸本線武生駅・福井鉄道武生新駅 → かれい崎行きバスで陶芸村口下車徒歩10分
車の場合
  • 北陸自動車道鯖江IC・武生ICから約30分

お問い合わせ

 

博物館など

越前陶芸村
  • 窯元10数軒、ショップや、3軒の宿泊施設、陶芸家の卵たちの共同工房などの施設がある
福井県陶芸館
  • 開館時間:9時〜17時(入館は〜16時30分)
  • 休館日:月曜(祝日の場合翌日)、祝翌日、年末年始
  • 電話:0569-35-3970
越前焼工業協同組合越前焼の館
  • 開館時間:8時30分〜17時
  • 休館日:年末年始
  • 電話:0778-32-2199

行事

越前陶芸まつり

5月の最終日曜日をはさんだ3日間、場所は越前陶芸村周辺。大茶会も開かれる。

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茶陶の世界に革命を起こした、美濃焼

画像出典:https://www.spacewalker.jp/mt/spacewalker/archives/10795

 

特徴

茶道をたしなんでいる人ならば、美濃焼を知らない人はいない、というほど、茶陶としては有名な美濃焼です。桃山時代に、それまでの釉薬をかけない焼締のものが主流であったものが一変し、日本の焼き物では初めて色と形のデフォルメの要素を加えられた大胆な茶陶。この美濃桃山陶は、江戸時代に入ると廃れていきますが、のちの人間国宝・荒川豊蔵らの手によって再現されています。

美濃焼は種類や作風が豊富で一言で語るのは難しい陶器ですが、伝統工芸品に指定されているものは15種類もあり、そのうちの代表的な4つの陶器が以下のものです。

1.織部

大名茶人・古田織部により創始され、「織部好み」と呼ばれる奇抜なスタイルを確立。緑色の釉薬を主にした使い方に特徴があり、全体に銅緑釉をかけた「総織部」、土肌に鉄釉で絵文様を施す「青織部」、瀬戸黒と同じ方法で黒く発色させる「織部黒」、「鳴海織部」「黒織部」「志野織部」など様々な種類があります。この「織部好み」は現代の作家たちにも大きな影響を与えています。

画像出典:http://kohoan.com/item/MK-12/
2.黄瀬戸

灰釉の一種である黄褐色が使われており、作品によってはパステルカラーのような黄色からきつね色に近いおだやかな黄色まであり、様々な作品が楽しめます。緑色の斑の胆ばんと緑の線ぼりで描かれる文様なアクセントになっています。

画像出典:http://tobetobe-kusa.jp/?pid=107095319
3.志野

長石釉をたっぷりとかけることによって、練乳のような柔らかい白を表現しています。たまに薄紅の火色が現れることもありますが、それは素地から自然と滲み出たものです。

画像出典:https://www.spacewalker.jp/mt/spacewalker/archives/10795
4.瀬戸黒

瀬戸黒は灼熱の窯の中で溶けていた鉄釉が、外気によって急激に冷やされると漆黒の色に発色するという現象を元に作成されています。

画像出典:https://buyee.jp/item/yahoo/auction/p597737810

多治見市・土岐市を訪ねる

電車の場合

多治見市

  • JR中央本本線多治見駅下車

土岐市

  • JR中央本線土岐市駅下車
車の場合

多治見市

  • 中央自動車道多治見ICから約5分

土岐市

  • 中央自動車道土岐ICから約5分

お問い合わせ

  • 多治見市役所産業観光課
    • 電話:0572-22-1111
  • 土岐市役所産業振興課
    • 電話:0572-54-1111

 

博物館など

多治見市美濃焼ミュージアム
  • 開館時間:9時〜17時
  • 休館日:月曜日(祝日の場合翌日)、年末年始
  • 電話:0572-23-1191
土岐市美濃焼伝統産業会館
  • 開館時間:9時〜16時30分
  • 休館日:月曜(祝日の場合は火・水曜日)、年末年始
  • 電話:0572-55-5527

 

行事

多治見陶器まつり

4月第2土曜・日曜に、多治見市の本町オリベストリート沿いで行われる陶器市。

 

土岐美濃焼まつり

5月3〜5日に、商社や窯元による約250のテントが並び、美濃焼関連の祭りで最大の規模を誇る。場所は織部ヒルズ(土岐美濃焼卸商業団地)

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奈良絵のかわいらしさに思わず目を奪われる、赤膚焼

画像出典:https://sunchi.jp/sunchilist/narayamatokooriyamaikoma/5477

 

特徴

赤膚焼名前の由来は2つあり、一説では土は鉄分を多く含んでいるため、焼きあがると器肌がほんのり赤くそまることから赤膚焼と呼ばれるようになった、と言われています。もう一説では、奈良県の五条山がかつては赤膚山と呼ばれていたから、とも言われています。

赤膚焼の一番世に知られている形は、萩釉(はぎゆう)に奈良絵をほどこしたものでしょう。萩釉は萩焼から伝わったものといわれ、もったりと器全体を覆う乳白色が、素地のほんのりとした赤みとよくマッチしています。

奈良絵とは、元々はお釈迦様の生涯を絵物語で表したものですが、現代では人物や鹿などを可愛らしく描かれたものが多いです。上下二本の線の中に図形が描かれているものが多く、奈良の風景や鹿、昔の物語などといった、色々な紋様が組み入れられています。

画像出典:http://www.nayafactory.jp/gallery/index.html

窯の歴史を辿ると、古窯・旧窯・新窯と大きく3つの時代があります。

古窯は古代、埴輪の製作などをしており、そこから、中世に神仏への供御器製作を任され、同業組合がこの地で結成されたそうです。その歴史は神事と深く関わっています。

旧窯は豊臣秀吉の弟・秀長が当時の郡山城主として土地を治めた際に開かせ、武将への褒美の品として主に茶道具を作らせていたそうです。この旧窯の時代から産業としての赤膚焼が確立しました。

新窯は、郡山藩主の柳澤尭山が当時衰退していた窯業を復興を目的として起こし、郡山藩御用窯として重用されたそうです。

画像出典:http://www.city.nara.lg.jp/www/contents/1386988065783/index.html

奈良市赤膚町を訪ねる

電車の場合
  • 近鉄奈良線学園前駅
車の場合
  • 阪奈道路学園前ICから約5分

 

お問い合わせ

  • 奈良市観光経済部 産業政策課
    • 電話:0742-34-4741
    • FAX:0742-36-4058

 

博物館など

奈良国立博物館
  • 開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
  • 休業日:月曜(祝日の場合開館)、年末年始
  • 入館料:一般500円、大学生250円
  • 電話:0595-44-1701
奈良県立美術館
  • 開館時間:9時〜17時
  • 休館日:年末年始
  • 電話:0742-23-3968

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火が織りなす天然の美しさ、備前焼

画像出典:http://www.dai-kura.com/

 

特徴

備前焼は、釉薬を使わず、絵付けもしない焼き物です。

しかし、焼きあがった作品にはさまざまな色や模様がついています。これは、長時間焼き締めている間に、粘土に含まれる金属成分が変化したり、窯の中の温度や松割木の灰、窯入れの際に入れた藁などが、作品と重なりあって現れるのです。

主には以下の5つの焼き色が代表的なものになります。

1.緋襷(ひだすき)

作品がくっつくのを防ぐため、ワラを間にはさんだり巻いたりして焼いた時に、ワラの成分と粘土の鉄分が科学反応をおこし、緋色の線が現れたものです。

画像出典:http://www.dai-kura.com/

 2.桟切

黒色から灰青色などの色の変化が模様になっているものです。

燃料が燃え尽きてできた灰に作品の一部が覆われ、空気の流通が悪く還元焼成(いぶし焼き)になった部分に色の変化が現れます。炎があたる部分は、赤褐色、灰で覆われた部分は黒く、その境目は灰青色になるのが一般的です。

画像出典:http://www.dai-kura.com/

3.胡麻

茶色い部分は胡麻と呼ばれ、窯の燃料である松の薪の灰が溶けて出来る模様です。

画像出典:http://www.dai-kura.com/

4.青備前

青灰色に黒く発色した緋襷景色が美しい焼け上がりです。

濡らすと色合いがくっきりと出てとても綺麗になります。

画像出典:http://www.bizen.biz/product/17080.shtml

5.牡丹餅(ぼたもち)

備前焼の牡丹餅(ぼたもち)と呼ばれる模様です。
作品同士を積み重ねて窯詰めをし、焼けムラが模様として抜けでたものです。
お皿などの上に別の物を乗せて焼いた痕跡が、灰が掛からずに赤く発色します。

画像出典:https://www.creema.jp/creator/1392578/item/sold

 

備前市を訪ねる

電車の場合
  • JR山陽新幹線・山陽本線岡山駅または相生駅 → JR赤穂線伊部駅下車
車の場合
  • 山陽自動車道和気ICから約10分

 

お問い合わせ

 

博物館など

備前焼伝統産業会館
  • 開館時間:9時30分〜17時30分
  • 休業日:火曜(祝日の場合翌日)、年末年始
  • 電話:0869-64-1001
備前市立備前焼ミュージアム
  • 開館時間:9時〜17時
  • 休業日:月曜(祝日の場合翌日)、年末年始
  • 電話:0869-64-1400
FAN美術館
  • 開館時間:9時30分〜17時(入館:〜16時)
  • 休業日:火曜
  • 電話:0869-67-0638
天津神社
  • 狛犬、屋根瓦、参道の陶板などの全てが備前焼になっている
  • 電話:0869-64-2738

 

行事

備前焼まつり
  • 時期:10月第3土曜・日曜
  • 場所:備前焼伝統産業会館周辺、伊部駅前

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素朴で侘びの感じる焼き物、信楽焼

画像出典:http://kohiki-furutani.com/img/top_bg.jpg

 

特徴

信楽焼きといえば、素朴で野性味溢れる焼き物です。茶道では、侘び寂びの侘びの風情があるということで、茶道の実用の器として愛用されています。

画像出典:http://buyee.jp/item/yahoo/auction/d268005042

 

元々は伊賀の地が良質な土が取れるということから様々な窯が昔から存在しており、日常用の壺や甕が多く焼かれていました。ですが、室町時代後期に茶の湯が盛んになった頃から茶道具として利用されるようになりました。茶人・武野紹鴎が、日用品や農業用として使われていた器から侘びた風情を見出したことで使われ始めたのが始まりと言われています。以後、桃山時代にかけて茶の湯が流行するにつれ、茶人の要望に応じた「和物」茶陶を焼く窯として人々に多く知られましたが、江戸時代に茶の湯の流行がさるとともに衰退したと言われています。最近では、元々焼かれていた壺や甕、茶道具のほかに、その土の質感を活かしたモダンな焼き物も多く存在しています。

画像出典:http://kohiki-furutani.com/catalog/bowl2/img/04-800.jpg

 

また、現代では、たぬきの焼き物でもよく知られているのが信楽焼です。

画像出典:http://shigaraki-gift.com/?pid=96449647

甲賀市を訪ねる

電車の場合
  • JR東海道本線草津駅 → JR草津線貴生川駅 → 信楽高原鐵道信楽駅下車
車の場合
  • 新名神高速道路信楽ICから約10分

 

お問い合わせ

 

博物館など

滋賀県立陶芸の森
  • 開館時間:9時30分〜17時(入館は〜16時30分)
  • 休館日:月曜(祝日の場合翌日)、年末年始
  • 電話:0748-83-0909
甲賀市信楽伝統産業会館
  • 開館時間:9時〜17時
  • 休館日:木曜(祝日の場合翌日)
  • 電話:0748-82-2345
陶器神社
  • 愛宕山頂にある、やきものの神を祀る神社。陶器の狛犬も。参拝自由

 

行事

陶器祭り
  • 10月中旬の、土曜・日曜・月曜に開催

 

 

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日本の磁器といえば、有田焼

画像出典:http://www.craftsdgn.com/wp-content/uploads/2016/10/KOMON-mame.jpg

 

特徴

代表的な日本の磁器といえば、有田焼です。

その白い素地に映える鮮やかな絵付けの技法は、有田焼を語る上では欠かせないものとなっています。江戸時代初期(17世紀中頃)に、輸出用製品を作るために中国の時期や絵手本の真似をしたことで有田焼の絵付けは発展しました。それまで華やかな色絵がなかった日本のやきものに置いて、有田磁器の登場は革命的であり、その後日本全国各地への技術が広められて行きました。

代表的な染付の様式は以下の4種類になります。

1. 初期伊万里様式

画像出典:http://www.con-quest.tv/images/070/_MG_7450.jpg

日本の磁器の原点と言われる染付で、中国的な絵柄を藍色1色で描く様式です。素朴な味わいがあります。

2. 柿右衛門様式

画像出典:https://kakiemon.co.jp/Ctrl/itemImg/%E6%BF%81%E6%89%8B%E7%B4%85%E8%91%89%E6%96%87%E9%89%A2_1487746669.jpg

「濁手」と言われる上質な乳白色の素地に、余白を生かす絵画的な絵付けが東洋の美として称され、ヨーロッパの人々を虜にしました。14代目の酒井田柿右衛門は人間国宝とされています。

3. 金襴手様式

画像出典:http://jandccoltd.com/sp/images/products/14_03/kazarizara_aritayaki_2.png

金彩を加えた豪華絢爛な染付です。

4. 鍋島様式

画像出典:http://img21.shop-pro.jp/PA01383/744/product/115397881.jpg?cmsp_timestamp=20170325132625

佐賀鍋島藩の御用品として高い完成度と様式美を追求した染付です。

 

有田町を訪ねる

電車の場合
  • JR佐世保線有田駅下車
車の場合
  • 西九州自動車道波佐見・有田ICから約10分

お問い合わせ

 

博物館など

佐賀県立九州陶磁文化館
  • 開館時間:9時〜17時
  • 休業日:月曜(祝日の場合開館)、年末
  • 電話:0955-43-3681
有田ボーセリンパーク のんのこの郷
  • 開館時間:10時〜16時(ツヴィンガー宮殿展示)
  • 休館日:なし
  • 電話:0955-41-0030
有田陶磁美術館
  • 開館時間:9時〜16時30分
  • 休業日:月曜、年末年始
  • 電話:0955-42-3372

行事

有田陶器市
  • 時期:4月29〜5月5日
  • 場所:有田駅から上有田駅にかけて

 

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モダンで素朴な味わい、益子焼

画像出典:http://kuraline.jp/

 

特徴

益子焼は栃木県芳賀郡益子町周辺を産地とする、江戸末期から作られ始めた陶器です。「東京に近いこと」、「優れた陶土があること」という2つの要素に恵まれ発展を遂げてきました。創始者は大塚啓三郎氏。当時から作られてきたのは水瓶や鉢、土瓶など毎日の暮らしに欠かせない道具です。現代でもそれは変わりません。

近年、益子焼に人気が出てきた理由

都会に人口・文化が集中する時代を経て、現代では地方回帰の流れが強くなっています。そのため若い陶芸家たちも地方回帰の流れを受け増えつつあり、新しい作風の益子焼も、暮らしに溶け込むモダンな益子焼も増えてきています。

そこで近年注目を集める、若手陶芸家たちのモダンな益子焼や、益子焼を取り入れた「夏おすすめのテーブルコーディネート」をご紹介いたします。

 

近年注目を集める窯元・作家たち

画像出典:http://www.yoshizawa-gama.com/?pid=110848226

よしざわ窯

暮らしに溶けこむような、やわらかい雰囲気の器が手頃な価格で入手できるのが「よしざわ窯」です。作り手であるメンバーは3分の2が女性。使い勝手がよく、毎日の暮らしをかわいらしく彩ってくれるような器が背伸びしない価格で購入できます。

 

 

画像出典:https://www.instagram.com/p/BYz5JeyFh_4/?taken-by=take_to_shi

伊藤剛俊

益子焼作家の中でもひときわ異彩を放つ新進作家・伊藤剛俊さん。ぽってりと愛らしい雰囲気の益子焼が多い中、伊藤剛俊さんの作品はどれも繊細さが際立つスタイリッシュな仕上がり。薄手の磁器に掻き落としと呼ばれる技法で、幾何学模様を浮かび上がらせた作品が特に有名です。洗練された雰囲気とどこか神秘的な印象とが同居する器です。

 

画像出典:https://www.instagram.com/p/Bk3EmAjADei/?taken-by=kkarinnnnn

中村かりん

女性らしい細やかな技法とやわらかいデザインが特徴の益子焼作家です。中村かりんさんの作品で特徴的なのが「釉薬の色彩美」。この穏やかな色味にひとめ惚れしてしまう女性も多いのではないでしょうか。女性らしい穏やかな色味とデザインが、食卓にほっと安らぐような優しい温もりを加えてくれます。

 

夏らしさを演出するアイテム

益子焼のカップで、爽やかなハーブコーディアルを

画像出典:https://item.rakuten.co.jp/wakasama/10000458/

爽やかで香りが楽しめるハーブコーディアルは、土の温もりが感じられる益子焼との相性もぴったり。ハーブコーディアルを水か炭酸水で割り、氷とミントを浮かべれば初夏の緑を思わせるような清々しい飲み物に。ナチュラルな雰囲気で「夏らしさ」を演出してくれます。

 

益子焼のプレートで夏野菜たっぷりのカレーを楽しむ

画像出典:https://item.rakuten.co.jp/wakasama/10001198/

ワンプレートランチが簡単に作れて、便利な益子焼プレート。幅が広いので夏野菜がたっぷり入ったカレーのにもぴったりです。カレーをそのまま盛りつけてもいいですが、少しこだわるならカレーだけ別皿にして、プレートにはご飯と夏野菜だけを盛りつけるのがおすすめ。ビタミンカラーがまぶしい夏野菜のカレーになります。

コーディネート例

「青」で統一した、涼やかな夏のテーブルコーディネート

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青の釉薬で色付けした益子焼なら、そのまま並べるだけで夏らしく涼しいテーブルコーディネートに。和食なら焼き魚の下に大きめの笹の葉を敷いたり、洋食なら料理の上にミントをのせたりして「緑」を意識して添えると、さらに涼やかな印象になります。

麻や竹素材のアイテムと益子焼を組み合わせる

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夏の食卓を風流に演出してくれるのが麻や竹素材のアイテム。素朴でシンプルな素材は、温もりのある益子焼ともよく合います。麻や竹素材のランチョンマットやコースターと組み合わせてみたり、竹の器にそうめん、つゆ入れに益子焼を使ってみたりして組み合わせを楽しみましょう。

■参考サイト

 

最後に

ぽってりとしたフォルムの温かみのある益子焼は温かい食べもの・飲みものにも合いますが、夏の冷たい食べものや飲み物、元気が出るスタミナ料理にもよく似合います。特に最近の若手作家たちによるモダンな益子焼は、涼やかでスタイリッシュな作品も多く、夏のテーブルコーディネートにも大活躍。ぜひお気に入りの一品を見つけてみてください。

 

益子市を訪ねる

電車の場合

  • JR東北本線小山駅 → 水戸線下館駅 → 真岡鐵道益子駅下車

車の場合

  • 北関東自動車道桜川筑西ICから約10分

 

お問い合わせ

 

博物館など

益子陶芸美術館/陶芸メッセ・益子
  • 開館時間:
    • 2月〜10月:9時30分〜17時
    • 11月〜1月:9時30分〜16時(〜15時30分)
  • 休館日:月曜(祝日の場合翌日)、年末年始、展示替え
  • 電話:0285-72-7555
濱田庄司記念 益子参考館
  • 開館時間:9時30分〜17時(入管は〜16時30分)
  • 休館日:月曜(祝日の場合翌日)、年末年始、展示替え、臨時
  • 電話:0285-72-5300
益子焼窯元共販センター
  • 開館時間:10時〜17時
  • 年中無休
  • 陶芸体験も可能
  • 電話:0285-72-4444

 

行事

陶器市

毎年60万人以上が集まる、ビックイベント。うつわ好きは必ずといっていいほど行っていますね。

  • 日時:
    • 春:4月下旬〜5月上旬
    • 秋:11月上旬
  • 場所:益子市全体

 



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