【うつわのお手入れ】木製品編

素材・種類別に解説。木製品の取り扱い上注意とお手入れ方法について

「木製品は生きもの」とよく言われますが、その言葉通り、加工された後もまるで呼吸するかのように湿度を吸収・放湿する特徴をもつのが木製品です。木製品の基本的な情報や取り扱いの注意点、そしてお手入れ方法をご紹介します。

 

日々の暮らしになじみの深い、「木製品の種類」について

画像出典:https://image.rakuten.co.jp/postdetail/cabinet/02315635/img61758732.jpg

食器やトレイなど、暮らしになじみの深い「木製品」には以下のような種類があります。

 

曲げ物

薄く削った板を曲げて作る、円筒形の工芸品です。弁当箱やお盆、おひつ、菓子器などがあります。

 

指し物

釘を使わず、木の組み合わせだけで作る工芸品です。角型の容器やコースター、トレイなどがあります。

 

刳り物(くりもの)

一枚板をカンナやノミで削って仕上げる工芸品です。全て手彫りで作るためサイズの自由度が高く、装飾性の高い器や日用品が作られています。

挽き物

ろくろや施盤など回転する道具を使って、板を丸く削り加工した器です。お椀や盆など丸い器が中心です。

 

素材の違いでお手入れも変わる?「木の種類」について

画像出典:https://store.shopping.yahoo.co.jp/nagomi1ban/a5dfa5e3a5.html

木製品に使われる木の種類もさまざま。それぞれに特徴があり、お手入れ方法も変わります。

ヒノキ

良い香りがする高級材として知られるヒノキ。抗菌・防虫作用があることから弁当箱、まな板やしゃもじなどの台所用具によく使われます。また香りを楽しむため酒器に使われることも。

汚れ・水に強く、木の中では比較的お手入れに手間がかかりません。木の切断面(木口)だけは水が浸透しやすくカビが生えやすいため、お手入れには注意しましょう。

杉は軽くて加工しやすく短期間で成長するため、江戸時代から広く日用品に使用されてきました。香りが良く弁当箱や酒器によく使われます。また杉の桶や樽も有名です。

杉は吸水性が高いため、中に入れた食べものや飲み物の水分・匂いをよく吸収します。使う前に軽く水にくぐらせ、拭いてから使用すると、水分や匂い移りを防ぎやすくなります。

 

さわら

ヒノキによく似た木材ですが、強い芳香はありません。水分や湿気に強いため桶や柄杓、おひつなどによく使われます。

さわらは樹脂(ヤニ)を多く含んでいるため、使う前にアク抜きが必要。使う前は器に米のとぎ汁を入れて一晩放置し、よく洗ってから使用しましょう。また酢やアルコールで気になるヤニをふき取るのもおすすめです。

 

木製品の取り扱い上の注意

画像出典:https://item.rakuten.co.jp/hakuichi-selection/c/0000000209/

材質により細かな違いはありますが、木は乾いた状態だと水分や湿気を吸い込みやすく、食べ物のこびりつき・匂い移りがしやすくなります。使用前は軽く水通しし、水気を拭いてから使用しましょう。

また使った後は良く洗い、風通りの良い場所で乾燥させます。水分や湿気が残っているとカビ・黒ずみの原因になるため、しっかり乾燥させましょう。

また水に長時間つけ置くと、水分過多になり反りや割れが起こる可能性も。木は過度な乾燥・湿気に弱いため、温度や湿度変化の少ない場所で保管してください。

 

木製品の日常のお手入れについて

木製品は無塗装か塗装かで洗い方が変わります。

無塗装・塗装の木製品・洗い方の違い

無塗装の木製品は極端に汚れていない限り、洗剤を使用しません。無塗装の木は洗剤が染み込みやすく、自然の塗膜・樹脂を洗剤が洗い流してしまうため「水洗い」しましょう。

オイルやウレタン、漆などで塗装された木製品は他の食器と同様、やわらかいスポンジと中性洗剤で洗えます。

 

カビや黒ずみが気になったら

木製品は使い続けるとカビや黒ずみ汚れが気になることも。

カビは中性洗剤とやわらかいスポンジで洗うか、ブラシをかければ落ちる場合があります。ただし化学反応による変色・黒ずみや、深く根が入ったカビは容易に落ちないことも。

無塗装の木製品なら紙ヤスリで表面を磨き、汚れを落とせる場合もありますが、塗装製品は塗り直しが必要なケースがあります。購入元に相談してみましょう。

 

【オイル仕上げの木製品】お手入れのコツ

画像出典:https://stylestore.jp/item/EA178-00-0001-B563

オイルで仕上げた木製品は、定期的にオイルを含ませた布で器を磨いてメンテナンスします。

オイルはクルミ油やアマニ油、エゴマ油を使用するのがおすすめですが、大豆油や米油、グレープシードオイルなどでも代用できます。

時が経つほどに色合い・風合いを変え、日々の暮らしにそっとなじんでいく木製品。お手入れには気を遣いますが、手間暇かかるからこそ愛着もわいてきます。ぜひ共に過ごした時間を愛おしむ気持ちで、お手入れしてみてください。

Continue Reading

秋の陶器市5選【西日本】蔵出し品に出会える、大規模な陶器市が目白押し!

古くから続く窯元が多いだけあり、西日本で開催される陶器市は街ぐるみで開く大規模な陶器市が目白押し! その中でも、これから秋に開催される予定のおすすめ陶器市を5つご紹介します。ぜひお値打ちの蔵出し品を探しに、訪れてみてください。

 

 

たじみ茶碗祭り

画像出典:https://www.facebook.com/tajimi.tyawan/

開催期間:2018年10月7日(日)〜2018年10月8日(月)

出展:https://www.facebook.com/tajimi.tyawan/

「いいものをお買い得に」がモットーの大廉価市、多治見美濃焼の掘り出し物が見つけられる蔵出しセールなどが開かれる大陶器市です。産直グルメが集合する市場も開かれます。

開催場所は、多治見の陶磁器商社が集まる美濃焼卸センター(美濃焼卸団地)内。たじみ茶碗祭りは商社ご自慢の美濃焼をお値打ち価格で販売する、秋の大特価市です。

 

代表的な展示物や作品

美濃焼スクエア

和食器から洋食器まで幅広い食器を展示販売。作家コーナーでは新進気鋭の陶芸作家たちの器を展示販売しています。

織部本店

「暮らしアートフル」をテーマに、常時8,000点もの商品を取りそろえる和洋陶器専門店です。東海地区最大級の売り場面積。

 

楽しみ方・過ごし方のポイント

たじみ茶碗まつりは毎年大混雑必至の人気のある陶器市です。お気に入りの窯元を扱う販売店を探して効率よく回るのがおすすめです。

 

 

信楽陶器まつり

画像出典:https://www.shigaraki-matsuri.com/

開催期間:2018年10月6日(土)〜2018年10月8日(月)

出展:https://www.shigaraki-matsuri.com/

信楽陶器の作品展示や大即売会が行われる陶器市。年に一度の信楽焼ビッグイベントです。会場には名物・狸の置物はもちろん信楽焼窯元の作品が勢ぞろい。甲賀市の物産展やグルメコーナーも開かれます。

陶器まつりの時期には、信楽駅へと向かう信楽高原鐡道車窓から「うしかい田んぼアート」を見ることもできます。秋の行楽にも最適です。

 

代表的な展示物や作品

滋賀県立陶芸の森・陶芸館

国際性・現代性を兼ね備えた陶芸美術館。日本や海外の現代陶芸作品、滋賀ゆかりの陶芸作品を鑑賞できます。

滋賀県立陶芸の森・信楽産業展示館

信楽焼の作品展示・即売が行われています。信楽焼作家のユニークな作品を集めた展覧会を随時開催中。

 

楽しみ方・過ごし方のポイント

信楽陶器市では日常使いの陶器はもちろん、狸の置物が大小・形を変えて勢ぞろい。絶好のフォトスポットとなるため、ぜひ写真撮影を楽しみながらお気に入りの品を探してみてください。

 

 

常滑焼まつり

画像出典:http://tokoname-event.jp/tokonameyakifes/tokonameyakifes2018.html

出展:http://tokoname-event.jp/tokonameyakifes/tokonameyakifes2018.html

常滑焼を全国に宣伝・PRするため昭和42年に始まった、常滑焼最大の即売市です。窯元作品の展示即売だけでなく、常滑や知多半島のおいしいものを集めたグルメ市も開催。

常滑焼の器を使用した料理教室やお茶教室などのワークショップも開かれ、「食欲の秋」も堪能できる陶器市です。

 

代表的な展示物や作品

ボートレースとこなめ

常滑焼まつりのメイン会場。多くの窯元が一同に集まり展示即売会が開かれます。

やきもの散歩道

古民家が並ぶ、レトロで風情のある散歩道。おしゃれなカフェや雑貨店を巡りつつ、お気に入りの陶器が購入できます。

 

楽しみ方・過ごし方のポイント

常滑焼まつりは会場ごとに特色ある展示即売が行われます。掘り出しものを探すならメイン会場、散策がてらゆったり作品を探すなら散歩道など、目的に合わせて訪れる会場を選ぶと良いでしょう。

 

 

丹波焼陶器まつり

画像出典:https://tanbayaki-toukimatsuri.com/

開催期間:2018年10月20日(土)~10月21日(日)

出展:https://tanbayaki-toukimatsuri.com/

丹波焼陶器まつりは昭和53年、丹波立杭焼が国の伝統工芸品に指定されたのと同じ年に始まった陶器市です。丹波焼をお得な値段で購入できる展示即売を始め、窯元巡りや丹波グルメが堪能できます。

大規模な展示即売が行われる陶器市会場、イベントや展覧会が行われる催し会場、窯元巡りができる会場があり、各会場へ向かうシャトルバスも用意されています。

代表的な展示物や作品

■陶器市会場

陶器まつりのメイン会場。展示即売を行う3040もの窯元による特設テントがずらり並びます。

陶の郷

イベントや催し物が開かれる会場です。丹波焼最古の登り窯、52軒の丹波焼・窯元の展示即売会が行われる窯元横丁があります。

 

楽しみ方・過ごし方のポイント

各会場が離れた位置にあるため、行動スケジュールを決めてから訪れるのがおすすめです。日中は駐車場が込み合うため、会場内はシャトルバスで移動しましょう。

備前焼まつり

出展:https://touyuukai.jp/

昭和58年に始まった、毎年10万人規模の来場者がある大即売市です。会期中は備前焼陶友会会員の作品がお得に購入できる他、展覧会やろくろ体験ができるワークショップなども開催。

前夜祭として開かれる、たいまつを担いだ人々が街中を練り歩く炎のまつり「かべりだいまつ」も見どころです。

 

代表的な展示物や作品

備前焼伝統産業会館

2階にある展示即売場では約4,000点もの作品を紹介。備前焼陶友会会員の作家や窯元の個性豊かな作品が購入できます。

備前焼ミュージアム

季節ごとにさまざまな企画展を開催。3階の人間国宝館では人間国宝に認定された備前焼作家の作品が鑑賞できます。

 

楽しみ方・過ごし方のポイント

前夜祭ありの陶器市とあるため泊りがけで訪れるのがおすすめです。街全体が会場となる大規模なイベントのため、街の散策を楽しみつつ各会場を巡ってみてください。

上記ご紹介した陶器市だけでなく、西日本各地では大規模な陶器市が秋から冬にかけて開催。お気に入りの器に出会えるチャンスがたくさんあります。西日本にお出かけする予定があるなら、ぜひ各地で開催される陶器市の日程もチェックしてお出かけください。

Continue Reading

秋の陶器市5選【東日本】こだわりの器を探しに、ぶらり旅をしよう

紅葉目当てにぶらり散策が楽しくなる秋は、東日本も陶器市のシーズン真っ盛りに!東日本を中心にこだわりの器が購入できる、おすすめ陶器市5つをご紹介します。

 

 

益子・秋の陶器市

画像出典:http://blog.mashiko-kankou.org/ceramics_bazaar/index.shtml

「第102回 益子秋の陶器市」
開催期間:2018年11月2日(金)~11月5日(月)

出展:http://blog.mashiko-kankou.org/ceramics_bazaar/index.shtml

益子の陶器市は昭和41年、益子焼窯元共販センターのオープンをきっかけに開かれるようになった陶器市です。当日出店する店舗数は約50。約500ものテントが並び、益子焼を始めとした数々の焼物や日用品、美術品、地元の農産物や特産品などが販売されます。

会期中の2日間は旧濱田庄司邸内でお茶を楽しめる「メッセ茶席」が開催。各店舗・キャンプ村ではろくろや手びねり体験など独自のイベントも開催されます。

代表的な展示物や作品

益子窯元共販センター

益子で最初にできた個展会場です。月替わりでベテラン陶芸家たちの作品を展示しています

益子陶芸美術館

濱田庄司など、益子を代表する作家や濱田庄司にゆかりの深い作家たちの作品を展示しています。

楽しみ方・過ごし方のポイント

益子の陶器市はエリアがかなり広いため、一日で回りきるのは至難の技。あらかじめお気に入りの窯元をチェックして効率よく回るか、あるいは運命の出会いを期待して、事前知識なくぶらりと訪れるのがおすすめです。

 

 

笠間浪漫

開催期間:2018年10月6日(土)~10月8日(月・祝)

出展:http://www.kasama-kankou.jp/upsys_pro/news.php?mode=detail&code=588

笠間浪漫は「匠のまつり」という名前で開催されていたイベントです。2012年、このお祭りがさらにパワーアップ。「笠間浪漫」にリニューアルされました。

笠間焼や木工製品、地場農産物にグルメにとたくさんの店が軒を連ね、音楽や踊り、郷土芸能のライブや夜市開催など、昼から夜にかけて一日中大盛り上がり。笠間焼のマグカップとビールがセットで購入できる笠間ビールフェアなども開催されます。

 

代表的な展示物や作品

大津晃窯

150年の歴史を誇る老舗窯元です。伝統を大事にしながらも、新しい取り組みにも積極的。ハート型の器が人気。

河野陶房

1972年創業の工房。現在は二代目が作品作りをされています。パステルカラーの明るい色味の作品や自然がモチーフのかわいらしい作品が多くあります。

 

楽しみ方・過ごし方のポイント

陶器市スペースは比較的小規模で、作品を鑑賞する時間が長めにとれます。笠間焼は作風が自由で作品も千差万別。「これぞ」と思える品に出会えるまでゆっくり探してみてください。

 

 

みやぎ村田町 蔵の陶器市

画像出典:https://gotenyaki.com/murata_2018/

開催日時: 
平成30年10月12日(金)午前10時~午後5時30分
平成30年10月13日(土)午前10時~午後5時30分
平成30年10月14日(日)午前10時~午後3時30分

出展:http://toukiichi.com/

江戸末期に紅花で栄えた豪勢な店蔵を活用して、地域活性化につながるイベントを興そうと始められた陶器市です。昔ながらの店蔵を活用し、陶芸家たちによる作品展示や即売会が行われています。

夕暮れ時になると、店舗の屋号や町内小学生が作った俳句・川柳が書かれた常夜灯が点灯。和のイルミネーションで幻想的な夜の風景が楽しめます。

 

代表的な展示物や作品

エミシ工房

宮城県の工房です。モダンな色柄でぽってりとした丸みがある花器やカップ、洗練されたデザインのシンプルな食器など、現代的な作風の焼き物が揃います。

陶修窯 碁点焼

山形県の窯元です。独特の青味が特徴の「藍」、いぶし銀のような光沢のある鉄釉「銀砂」の2つが主要作品です。

 

楽しみ方・過ごし方のポイント

遠方にあることが多い、東北の窯元。その作り手たちと直接話ができる稀有な機会となっています。ぜひ作家とのお話を楽しみながら各店舗を巡ってみてください。

 

 

越前秋季陶芸祭

画像出典:https://echizentougeisai.jimdofree.com/

出展:https://echizentougeisai.jimdofree.com/

陶芸村で毎年開催していた秋季茶会を、越前焼の作品展示や販売、地元食材を使ったグルメが味わえる場としてリニューアルしたのが越前秋季陶芸祭です。越前焼を始めとした陶器が揃うテント市、福井県のご当地グルメ市、手作りワークショップなどが開かれます。

代表的な展示物や作品

風来窯

古越前を彷彿とさせる器、白化粧の器、自然や物語をモチーフにした作品を作られている越前焼の窯元です。

桃山窯

鉄釉一筋で茶道具や香道具などを制作されている窯元です。釉薬の鉄分含有量や焼成回数によって変わる、神秘的な色と輝きをもつ作品が特徴。

 

楽しみ方・過ごし方のポイント

越前秋季陶芸祭では18種類ものワークショップを展開するなど、手作り体験に力を入れています。ぜひ自分だけのオリジナル作品を作り、楽しんでみてください。

 

 

伊佐須美の杜 工人と陶器まつり

画像出典:https://www.facebook.com/aizuhongoyaki/

福島県にある伊佐須美神社の境内で毎年開かれている陶器市です。会津本郷焼を始め、全国から集まった陶芸家たちの作品展示・販売が行われています。

工人と陶器まつりはテント市がメインのイベント。新潟の金物やサーターアンダギーなど、陶器以外の品物を販売するテントもあります。

 

代表的な展示物や作品

かやの窯

親子で営む会津本郷焼の窯元。器ひとつひとつ模様が異なりバリエーションが豊富。

閑山窯

青磁、白磁、炭化など種類の異なる器を作る会津本郷焼の窯元。伝統作品にこだわりがあります。

 

楽しみ方・過ごし方のポイント

神社境内の緑豊かな風景と、テント市の開放的な雰囲気なせいか、作り手との対話が弾む陶器市です。作り手の器への思い、愛情をしっかり確かめながら購入できます。

すべての陶器市をまわるのは大変ですが、土日を使えばどこか1くらいなら訪れられそうですね。陶器市では来場者をおもてなしするためグルメの提供やイベント開催など、様々な催しものが開かれています。ぜひ一日かけて、ゆっくりと陶器市を堪能してみてください。

Continue Reading

【うつわのお手入れ】金継ぎ編

独学派?教室派?金継ぎ初心者におすすめしたい「金継ぎのはじめかた」

大切な人にいただいた器をうっかり壊してしまった……。そんなときに伝統的な器の修復法「金継ぎ」を知っていれば、落胆する気持ちも少し和らぎそうですよね。金継ぎの歴史や成り立ち、また初心者の金継ぎのはじめ方などご紹介いたします。

改めて振り返ってみる。「金継ぎ」の歴史や成り立ち

画像出典:https://store.shopping.yahoo.co.jp/uroco/029-00-04.html#

「金継ぎ」は割れた器のかけらやヒビなど、破損した部分を漆で接着し、その上から金粉や銀粉など金属粉で破損した箇所を装飾する技法です。

漆をつかって器を修復する方法は、古くは縄文時代から行われてきました。現代のように金継ぎに人々が芸術性を見出すようになったのは、茶の湯文化が発達し「わび・さび」に美を見出すようになった室町時代からだと言われています。

金継ぎに必要な道具は?方法は?

画像出典:https://mag.japaaan.com/step/43111

金継ぎに必要な道具と材料

金継ぎに必要な材料はうつわと漆、小麦粉、木粉、砥の粉(地の粉)、金属粉の6つ。また使用する道具はマスキングテープ、ヘラ、筆、ヤスリ、カッター、作業用の板とゴム手袋、掃除用のオイルなどです。教える人によって必要な材料や道具は異なるため適宜用意しましょう。

金継ぎの大まかな流れ

金継ぎは大まかに下記の流れで行います。

  1. 割れを修復する場合は漆と小麦粉、水を混ぜて漆の接着剤をつくります。小さな欠けや、凸凹を修復する場合は、漆の接着剤に木粉や砥の粉(地の粉)を混ぜてパテを作ります。
  2. 器の割れた部分にそってマスキングテープを貼り、接着剤がはみでないよう下処理します。
  3. 漆で作った接着剤、あるいはパテを修復部分にヘラで塗り接着します。表面をヘラやカッターで削って整えます。
  4. 接着した器を乾燥させます。乾燥してから再度表面をヤスリで削って美しく加工します。
  5. 仕上げに修復した場所に筆で漆を塗り、金属粉を撒きます。
  6. しっかり乾燥させ、表面を磨きます。

作業自体は簡単ですが漆は温度や湿度に左右されやすいため、乾かす時間の調整や、乾かす場所の温度・湿度調整に手間暇がかかるため注意しましょう。

金継ぎのちょっとしたコツと注意点

画像出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E7%B6%99%E3%81%8E

漆は厚く塗ると、乾くのに時間がかかります。また乾燥させる時期は、からっと乾燥した冬より、むしろ湿度と温度の高い梅雨時期や夏場の方が乾燥しやすくなります。

乾燥のちょうどいい塩梅や材料のそろえ方、道具の使い方などはプロの意見を聞くのが無難です。初心者向けの金継ぎ教室やワークショップなどが各地で開催されているため、通いやすいところを選び訪れてみてください。

初心者におすすめ!代表的な金継ぎ教室

画像出典:https://www.facebook.com/kyoto.heiando/

漆芸舎平安堂の金継ぎ教室

40年以上にわたって寺社、仏像、陶磁器などの修復に携わってきた、漆芸修復士・清川廣樹氏が開いた教室です。教室は東京と京都の二カ所。プロの指導による本格的な金継ぎの技術や、それを育んできた日本文化までを学べます。日程や滞在時間など、利用者都合によってスケジュールや値段が変わるため、まずは相談してみましょう。

NHK文化センターの金継ぎ教室

NHK文化センターは全国に44の教室をもつカルチャーセンターです。金継ぎ教室も北は北海道から、南は福岡まで全国各地で開催されています。初心者向けから講師養成コースまで、幅広い講義が行われているため、最寄りの場所で「初心者向け」の講座が開かれていないか確認してみましょう。

独学派に。通販で購入できる「金継ぎキット」

画像出典:https://www.amazon.co.jp

独学ではじめるなら「金継ぎキット」を購入する方法もあります。金継ぎキットは東急ハンズでも販売されていますが、東急ハンズのネットストア、Amazon、楽天市場などの通販サイトでも販売されています。初心者向けの金継ぎ教本と合わせて利用してみてください。

最後に

ひとくちに「金継ぎ」といっても手法はさまざま。教える人によって道具や工程が変わり、混乱することもあります。ただ大事なのは「大切な器を直し、使い続けること」。手法にこだわらずに習いやすい場所や道具を選んで、まずは金継ぎをはじめてみませんか?

Continue Reading

【うつわのお手入れ】磁器編

磁器と陶器、お手入れに違いはある? 代表的な磁器の「お手入れ」のコツ

ひとめぼれで磁器を購入し、「そういえばお手入れの方法を知らない!」と戸惑ったことはありませんか? そもそも磁器と陶器はどう違うのでしょうか。材質や作り方、代表的な磁器の種類など基本を知り、コツを押さえて上手にお手入れしてみましょう。

磁器と陶器の違いとは?(材質・作り方について)

陶器の材質・作り方

画像出典:https://uchill.jp/?pid=81447649

粘土を原材料に、磁器より低い温度(9001,200度程度)で焼きあげるのが陶器です。磁器との大きいな違いは原材料に含まれた、ガラス質の量。

陶器に使用する土はガラス質が少なく、低温で焼き上げるためガラス質と土との結びつきが弱く、穴も多いため吸水性がよい特徴があります。そのため釉薬のひび(貫入)から生地に水分や油分がしみこんだり、カビが付着したりすることも。

そのため陶器は使用する前に、生地にはいった穴や釉薬のひびをお米や片栗粉に含まれている「でんぷん」で埋める、目止めと呼ばれる作業を行います。磁器の場合、ひびや穴が少ないため目止めは行いません。

磁器の材質・作り方

画像出典:https://www.favoritestyle.jp/products/detail.php?product_id=2161

ガラス質が多い粘土を使用し、陶器よりも高温(1,2001,400度程度)で焼きあげるのが磁器です。生地に含まれているガラス質と土との結びつきが強いため、丈夫で焼きあがりもつるつるした仕上がりです。

陶器よりも生地にできる穴が少ないため吸水性がありません。また鉄分の少ない粘土を使用し、空気の少ない炎で焼きあげるため、生地が陶器のように黄色っぽくならずに透明感のある白色になります。

代表的な磁器の種類と産地

有田焼(伊万里焼)

画像出典:http://www.sankirai.info/SHOP/J1108055.html

佐賀県有田町中心で作られている磁器を総称して「有田焼」と言います(※伊万里焼と言う場合も)。佐賀県有田町は日本で初めて磁器が作られた場所。日本の磁器の中で最も古い歴史をもっています。

九谷焼

画像出典:https://item.rakuten.co.jp/dentouhonpo/k-3-233/

九谷焼は石川県南部を中心に作られている磁器。色彩の豊かさと優美な絵柄が特徴です。有田焼が作られ始めた頃と同時期に作られていたものを古九谷、それ以降に作られたものを九谷焼と言います。

磁器の安全な使い方と、使用時の注意点

磁器は陶器よりも硬く吸水性も少ないため、お手入れに手間がかかりません。陶器のように目止めする必要もなく、使い始めはやわらかい布で拭くか、スポンジと中性洗剤で洗うだけで使うことができます。

ただし磁器は豪華な絵付けがされている器も多く、金彩・銀彩などが施されている場合は手荒く扱うと色落ちしたり、電子レンジを使用することで発火したりする危険性も。また酸性の食品をのせることで絵付部分が変色することがあるため注意しましょう。

磁器の「お手入れ」のコツ

磁器は陶器よりも硬くて薄い分、衝撃によって欠けやすい一面があります。そのため洗うときは食器洗浄機を使用するのではなく「手洗い」するのがポイント。

また硬いスポンジやたわしで洗うと表面に傷をつけやすくなるため、やわらかいスポンジを使って洗いましょう。洗ったあとはしっかりと乾燥させ、湿度の少ない涼しい場所で保管します。

困ったときは?お手入れ対処法

しっかりと乾燥させないまま湿気の多い場所で磁器を保管すると、カビがついてしまったり、匂いがついてとれなくなったりすることがあります。

カビや匂いが付着したときは、まずは洗剤で落ちるかどうか確認しましょう。シンプルな磁器なら、漂白剤に浸してからお湯で洗い流せば、カビや匂いをすっきりと落とせます。(※金彩・銀彩・色絵が施された磁器の漂白剤使用はおすすめできません)

最後に

扱いやすく日々のお手入れも簡単な磁器ですが、雑に扱うと割れやすく、欠けやすい一面もあります。そのため長く愛用するなら、日々のお手入れと大切に使う気持ちが何より大事。「うっかり」に気をつけて、日々大切に取り扱うようにしましょう。

Continue Reading

【うつわを知る:民藝館】日本民藝館 編

日本民藝館で「民芸」に触れ、美の感性を呼び起こす

「日本民藝館」という存在は知っているけれど、敷居が高くて入りにくいなんて思っていませんか? 「美」を見出す感性さえあれば、日本民藝館は誰でも楽しめる場所。まだ行ったことがない方は、ぜひこの機会に足を運んでみてください。

「日本民藝館」について

画像出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B0%91%E8%97%9D%E9%A4%A8

日本民藝館は民芸運動の提唱者・柳宗悦らにより1936年に作られた、伝統工芸品を展示する美術館です。

当時は現在のように、伝統工芸品は「美術」としての価値が認められておらず、伝統工芸品は「無名の職人が作った日用品」という範疇を出ることができずにいました。

この工芸品に美術品としての価値を見出し、世間に広める活動を続けたのが柳宗悦、濱田庄司、河合寛次郎らでした。

彼らは美術品としての評価が定まっていなかった工芸品の調査のため全国を駆け回り、日本全国の工芸品を収集。そして、この収集品を広く一般に公開するため実業家・大原孫三郎の支援を受けて「日本民藝館」を創設しました。

以来、日本民藝館は民芸運動の本拠地として、伝統工芸品の収集・調査・展示の場として今なお精力的な活動を続けられています。

 

日本民藝館で見られる、代表的な所蔵品・作品

画像出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B0%91%E8%97%9D%E9%A4%A8

日本民藝館に収蔵されている作品は、主に柳氏の審美眼により集められた日本や世界の工芸品です。その数およそ17,000点。種類も陶磁器から始まり、染織物や金工・石工品、木漆工品に絵画など多岐に渡ります。

その多彩な収蔵品の中で高い評価を得ているのが国内屈指の質・量を誇る、朝鮮半島の伝統工芸品と日本や世界の古い陶磁器、木喰の仏像、東北・沖縄・北海道(アイヌ)の工芸品など。民芸運動に参加した作家たちの作品も見どころのひとつです。

特に昭和前期から30年代にかけて集中的に蒐集された丹波古陶は、民藝館に所蔵されている日本の古陶磁を代表する品となっています。

 

ここに注目! 日本民藝館の見どころ

日本民藝館の見どころといえば、柳宗悦が民芸運動を興すきっかけともなった朝鮮陶磁器です。日本民藝館では定期的に朝鮮陶磁器の収蔵作品を紹介する、特別展・併設展を開催されています。

中でも18世紀後半に作られた白磁「染付秋草文面取壺」は、柳氏が朝鮮の工芸品に心惹かれるきっかけとなった品。一度は見ておきたい、歴史を動かした貴重な品です。

ただし日本民藝館に展示されている作品には説明書きがほとんどありません。これは何よりも見る人の、美を見抜く「直観」が大切であるという柳氏の考え方に由来しています。

自分の感性に引っかかった作品こそ「見どころ」となるのが民藝館の面白さです。

 

展示を楽しんだ後は? ミュージアムショップや周辺ランチスポット

画像出典:https://www.facebook.com/BUNDAN.cafe/

展示を楽しんだ後は民藝館内のミュージアムショップも訪れてみましょう。ここでは全国から選りすぐった新作工芸品の展示販売が行われています。また民芸の歴史や知識を深めたい方のために書籍も販売されています。

またちょっと休憩をするなら、民藝館から徒歩2分の場所にある日本近代文学館内「BUNDAN COFFEE & BEER」も訪れてみてください。こちらは約2万冊の書籍が閲覧できる、スペシャリティコーヒー専門店です。

こちらのお店では作中にも登場する「文豪が愛した飲み物や料理」を始め、小説内にしか登場しないような「想像でしか味わえない、憧れの飲み物や料理」を再現し提供されています。

お気に入りの作品を読み耽りながら、ここでしか味わえない特別な一杯・料理を堪能できます。

BUNDAN COFFEE & BEER

  • 所在地:東京都目黒区駒場4-3-55 日本近代文学館内
  • 営業時間9:3016:20
  • 定休日:毎週日・月・第4木曜

 

 日本民藝館の基本情報・アクセス

日本民藝館の基本情報・アクセスは以下の通りです。

■基本情報・本館

  • 住所:東京都目黒区駒場4-3-33
  • 開館時間10:0017:00(最終入館16:30まで)
  • 休館日:毎週月曜(祝日の場合は開館・翌営業日が休館日。年末年始/展示入れ替え等にともなう臨時休館あり)
  • 入館料:大人1,100円、高大生600円、小中生200円(団体割引・障がい者および介護者の割引あり)
  • (基本情報・西館)
  • 開館日:展覧会開催中の第2水曜、第2土曜、第3水曜、第3土曜に公開
  • 開館時間10:0016:30(最終入館16:00まで)

■アクセス

  • 京王井の頭線「駒場東大前駅」西口より徒歩7
  • 小田急線「東北沢駅」東口より徒歩15

 

まとめ

知識や情報に振り回されやすい「美」の世界。ただし、そのせいで目の前に広がる「美」を見逃したとしたら、とてももったいないですよね。日本民藝館は何よりも見る人の感性を大切にしてくれる場所。ぜひ気後れすることなく訪れ、「初めての民芸の世界」を楽しんでみてください。

Continue Reading

【うつわのお手入れ】漆器編

漆器のお手入れに困った時の「QA」。傷むとかぶれる?匂い対策は?

温度・湿度に左右されやすい性質をもつ「漆」を使用しているからこそ、日々の取り扱いや傷んだ時にも何かと気を遣いそうな漆器。ただし基本を知れば、そんな心配は無用かもしれません。漆器のお手入れ方法やメンテナンス方法についてご紹介します。

「漆器」とは?漆器の材質・なりたち・代表的な種類

画像出典:http://www.kihachi-web.com/kihachi/2015/04/post-122.html

漆を使用した工芸技術は、遡ること縄文時代から始まり、その後日本では全国あらゆる地で様々な漆工芸品が作られ各地の郷土産業として発展してきました。

漆器は漆塗りを施した器のことで、器に使われる材質は木が中心ですが、竹や紙、麻布や紙、陶磁器や金属、樹脂などが使われることもあります。

漆器は全国各地で作られているため様々な種類がありますが、代表的な種類としては石川県の「輪島塗」、青森県の「津軽塗」、福島県の「会津塗」、富山県の「高岡漆器」などがあります。

漆器のお手入れ基本(洗い方や保管方法)

画像出典:https://item.rakuten.co.jp/interior-palette/277878/

漆器は温度や湿度に左右されやすい「漆」を使用していますが、塗膜を傷つけないようにやさしく洗えば、特別なお手入れはさほど必要ありません。

洗い方は中性洗剤を水かぬるま湯に溶かし、やわらかいスポンジで洗うだけ。洗った後は水気を切ってから、布巾で表面についた水分を拭き取ります。

ちなみに高温・乾燥にさらされる食器洗浄機や乾燥機を使用して洗うと、漆器が傷みやすくなります。

漆は乾燥に弱く、湿度の高い環境で強くなる性質があります。自然乾燥させた後は食器棚にしまいっぱなしにせず「毎日使う」「毎日洗う」のが、何よりのお手入れです。ぜひ日々の食卓に漆器を取り入れて、漆器を水分にさらすようにしてみてください。

使いやすくメンテナンスしやすい、漆器を選ぶには?

画像出典:http://www.kihachi-web.com/kihachi/2015/04/post-122.html

漆器には蒔絵を施した豪華なものもありますが、蒔絵は使い込むほどに変色したりはげやすかったりするため、毎日使うなら装飾のないシンプルな漆塗りの食器がおすすめです。

また表面には使い続けるほどつやが増し、丈夫で扱いやすくなる「天然漆」を使用したものを。素地には割れにくく、漆の密着度が高い「木」を使用している漆器を選ぶと長持ちしやすくなります。

臭い・カビ・くもりが気になった時の「QA

Q.「使い始めになんだか匂いがする……どうやったら匂いがとれる?」

A.漆器の使い始めは天然漆特有の匂いがすることがあります。匂いが気になる場合は、一晩、米のとぎ汁に器をつけおきしましょう。その後ぬるま湯で洗い、23日風通しを行えば匂いが抜けやすくなります。

Q.「カビが生えてしまった!お手入れはどうすれば?」

A.カビが生えてしまった場合は、まずはいつも通り中性洗剤とやわらかいスポンジで落ちるかどうか試してください。もしもとれない場合は、表面の漆がはげてカビの根が深く入り込んでいる恐れがあるため、表面の塗り直しが必要です。

Q.「長年使い続ける内につやがなくなった……漆器についたくもりはとれる?」

A.漆器は使いこむほどにつやが出てくる特徴がありますが、汚れがとりきれていない場合、逆に表面がくもることもあります。漆器のくもりはガラスの汚れを拭き取るように、息をふきかけ、やわらかい布で乾拭きすると落ちやすくなります。

また毎日さっと洗うだけで済ませているなら、少し丁寧に洗うだけでもくもりにくくなります。油のしみが原因のくもりなら、少量のオイルをしみこませた布で表面を磨いてみるのもおすすめです。

日々のお手入れやメンテナンスの「コツ」

手荒に扱わなければ長持ちする漆器ですが、高温にさらすと変色することもあります。熱湯や揚げものなど熱いものを入れる時は、使用前にぬるま湯にさらし、急激な温度変化を避けるのがおすすめです。

また漆は乾燥に弱い特徴があるため、どうしても長期間保管しなければならない時は、漆器とともに水を入れたコップを入れて保管するのがおすすめです。

さらに堅い陶磁器と重ねて食器棚へしまうと漆器が傷つきやすくなります。食器棚では漆器だけを保管するスペースを作ってしまうようにしましょう。

最後に

基本を知れば、意外と扱いやすいことがわかる「漆器」。扱いにくいからと敬遠することはありません。ただし「丈夫だから」と過信しすぎるのも禁物です。ぜひ漆器の材質と特徴・お手入れ方法の違いを知り、日々の暮らしに上手に漆器を取り入れてみてください。

 

Continue Reading

シンプルで実用的な磁器、砥部焼

画像出典:https://tobeyaki.shop/

 

特徴

砥部焼は、江戸時代から陶器のような味わいを持っていましたが、白くて丈夫で値段も手頃だったため多くの人に愛用されて来ました。

一般的な磁器のイメージは、光をすかすほど薄いといったイメージですが、砥部焼は意外にどっしりしていて重い磁器です。この厚みにほのぼのとした愛着を感じ、皿や鉢は実用品として広く愛されています。

江戸時代の中期ごろまで、原料に砥石屑を使っていたため、その色はややグレーがかった白になっており、それが現代には個性として親しまれています。絵付けはほとんど女性の手で行われることが多く、軽やかで柔らかな印象のものが特徴的です。

砥部町を訪ねる

電車の場合
  • JR松山駅から市内電車で松山市駅まで約7分 → 松山市駅から伊予鉄バス「砥部線」で約45分、砥部焼伝統産業会館前下車
車の場合
  • 松山自動車道松山ICから約15分

お問い合わせ

  • 砥部町観光協会
    • 電話:089-962-7288

 

博物館など

■砥部焼伝統産業会館
  • 開館時間:9時〜17時
  • 休館日:月曜(祝日の場合翌日)、年末年始
  • 電話:089-962-7288
■砥部町陶芸創作館
  • 開館時間:9時〜17時
  • 休館日:木曜(祝日の場合翌日)、年末年始
  • 電話:089-962-6145
  • ろくろ・手びねり・絵付けの体験可能
■砥部観光センター 炎の里
  • 開館時間:8時30分〜18時
  • 休館日:12月31日
  • 電話:089-962-2070
  • ろくろ・絵付けの体験可能

行事

■砥部焼まつり
  • 時期:4月第3土曜・日曜
  • 場所:砥部町陶街道ゆとり公園、砥部焼伝統産業会館、砥部町商工会館

 

 

 

Continue Reading

朝鮮陶工による新技術で革新をもたらされた、唐津焼

画像出典:http://www.coconoki.com/shopbrand/ct450/

 

特徴

日本で初めて「蹴ろくろ」や「登り窯」を導入し、日本の焼物に革新をもたらした唐津焼。

輪積みにした粘土紐をたたき板で叩いて形成する「叩きづくり」や、様々な装飾技法など、朝鮮陶工たちから伝えられた新技術で、唐津焼は一気に脚光を浴び、多くの茶人にも愛されてきた。

しかし、これら技法の一部は唐津焼の衰退により、一時途絶えてしまう。再び世に出てきたのは、昭和30年代に入ってからのこと。重要無形文化財保持者である中里無庵の尽力により、復活を遂げたのだ。中里家は御用窯として橙献上唐津を作り続けた陶家。無庵はその12代中里太郎右衛門を襲名した頃から古唐津の発掘調査に取り組み、胎土・釉薬・成形・焼成法の研究を重ね、絵唐津・斑唐津・叩き唐津などの技術を見事に再現した。現代の唐津焼においても古唐津に倣った作風は多く、無庵の存在なしに唐津焼の新たな隆盛はなかったと言える。

1.絵唐津
画像出典:https://www.pinterest.com/pin/356980707955016963/
2.斑唐津
画像出典:https://twitter.com/RyoteiStyleJP
3.叩き唐津
画像出典:https://ameblo.jp/kougeikan/entry-11343345453.html

 

唐津市を訪ねる

電車の場合
  • 博多駅 → JR唐津駅下車
車の場合
  • 二丈浜玉道路浜玉ICから約20分

お問い合わせ

 

博物館など

唐津城
  • 開館時間:9時〜17時
  • 休業日:年末
  • 電話:0955-72-5697
唐津焼総合展示販売場(アルピノ2階)
  • 開館時間:9時〜18時
  • 休業日:年末年始
  • 電話:0955-73-4888
中里太郎右衛門陶房陳列館
  • 開館時間:9時〜17時30分
  • 休業日:年末年始
  • 電話:0955-72-8171
西ノ門館
  • 開館時間:9時〜17時
  • 休業日:月曜、年末年始
  • 電話:0955-75-3667

 


 

Continue Reading

モダンな民芸、越前焼

画像出典:https://feedram.club/hashtag/%E8%B6%8A%E5%89%8D%E7%84%BC

 

特徴

越前焼の始まりは平安の末期でした。北陸最大の窯業地であると言われており、六古窯の一つと言われています。焼き物の特徴としては、赤褐色の地肌に緑色の自然釉が豪快に流れ落ちている所にあります。作られているもののほとんどは民具として利用されているもので、その独特な形は現代、インテリアとして愛されています。

画像出典:http://demode-furniture.net/otsu/products/genre/curios/post_981.php

越前町を訪ねる

電車の場合
  • JR北陸本線武生駅・福井鉄道武生新駅 → かれい崎行きバスで陶芸村口下車徒歩10分
車の場合
  • 北陸自動車道鯖江IC・武生ICから約30分

お問い合わせ

 

博物館など

越前陶芸村
  • 窯元10数軒、ショップや、3軒の宿泊施設、陶芸家の卵たちの共同工房などの施設がある
福井県陶芸館
  • 開館時間:9時〜17時(入館は〜16時30分)
  • 休館日:月曜(祝日の場合翌日)、祝翌日、年末年始
  • 電話:0569-35-3970
越前焼工業協同組合越前焼の館
  • 開館時間:8時30分〜17時
  • 休館日:年末年始
  • 電話:0778-32-2199

行事

越前陶芸まつり

5月の最終日曜日をはさんだ3日間、場所は越前陶芸村周辺。大茶会も開かれる。

Continue Reading